今日は痩せたかもしれない日記

痩せたかもしれない時に書きます

痩せフィクション

身を削れば痩せると思って日記を書いていたら、二日目にして痩せたのかもしれない。しかし家には体重計がなく目分量や自己判断で体重の増減を調べるしかない。ゆかりさんに尋ねても太ったとしか答えてくれない。もう気分はガリガリで、今日は暑いので薄着で出社したので、昨日よりも痩せている。来週には髪の毛も切る。どんどん痩せていく。髪の毛は一体何キログラムなのだろう。僕の髪は佐藤浩市よりもある。美容師に髪を切ってもらうと必ず床に落ちた大量の髪の毛を集めて、こんなに切ったんですよーと言われるが、その時僕はこの髪の毛が全部お札だったらと考えてしまっているので、相づちしかしない。髪の毛や体毛だけで1キロあるかもしれない。それを切れば痩せる。
先日ボクシングの世界戦の計量で比嘉大吾選手が体重超過で王座をはく奪されてしまった。その時も髪の毛や髭を剃ったらどれくらい軽くなるのだろうと考えていた。
でも家に体重計がないので髪がどれくらいの重さなのかわからない。でも髪は重たいはず。失恋をして自分で髪の毛を切った少女の気持ちを考えると、もう僕はガリガリで彼女もガリガリで、えーなんで髪の毛切っちゃったの、と教室で友人に聞かれても理由を答えることはなく、苦笑いだけ。失恋でしょーとからかう空気が読めない、自称サバサバ系というか私思ったこと言っちゃうタイプだしーと飲み会で言いがちな、20代半ばで外国の人と付き合うであろう友人に言われて、一瞬止まって、そうだよって答えようか彼女は迷うのだけれど、言わなくて笑いながら、違うよーと答えるのだけれど、彼女は失恋していて、僕だけが知っている。僕が既婚者じゃなければフったりしなかったかもしれない。彼女は髪の
毛を切らなかったのかもしれない。でも僕は既婚者なので、ごめんって言ってしまう。
高校から自宅への通学路、川沿いを川の流れと同じ方向に一緒に歩く。彼女が止まり、僕は数歩前に出てふり返る。どうしたのと聞く前に、彼女は僕に告白をした。そうか、わかっていた。僕はわかっていた。仲良かったし、このままの関係が続くといいなあと、正直付き合うとかわからないし、どうしたらいいかわからないし、恋人という名前が付いて変わってしまう気がしていたから、このままが良いと思っていた。だから何も言わず、日々をただ過ぎ行く日々を謳歌していたのに、彼女は言った。川の流れる音は聞こえない。風だけが吹き、草木が揺れる音だけなびく。ただ自分の気持ちをどうすればいいのかどう解釈すればよいのかわからず、答えを先延ばしにしていたら、今、もう答えを求められている。
ドリルの最後のページには載っていない。教科書には書かれていない問い。嬉しいけれど、既婚者だから付き合えない。
彼女が切った髪の毛の重たさは一体何キログラムだろう。その髪の分、体が重たい。
もしかしたらこんなことを考えていたから太ったのかもしれない。
彼女(ゆったん)の気持ち分太った。でもゆったんはこの後大学生の彼氏を作るだろう。
もう僕への気持ちなんてなくなってしまった。

 

今日も少しだけ痩せたのかもしれない。
体重計がないからわからないけれど。